水指の蓋

このガラスの器に、黒くて、蝶番で折れるタイプの蓋を付けて欲しい。水指として使いたいので、イメージはこの茶道具ハンドブックを参考にして。

 

このような依頼で、初めての水指の蓋作りが始まった。

 

先ずは蝶番の調達から。ネットで検索して、水指蝶番を発見。専用の釘などが付属していることを確認して早速購入。和風で特殊なものということからか、他の蝶番と比べてかなり高価。専用の釘も数がピッタリだったので、失敗も許されない。チョット引き締まる思いだ。

 

次に黒塗りのこと。本漆だと外注することになるが、後で蝶番を付ける作業を考えると自分で塗れる方が良さそう。そこで、茶器の内側の塗装に使っていた水性の合成漆塗料を選ぶことにした。

 

材料には国産のクルミを選択。狂いが少なく軽いので、には相応しいと判断した。

 

加工自体はシンプルで、器に合わせた半円形にカットした材の弧の部分に段欠き加工を施し、仕上げて完成。

 

いよいよ塗装に入る。いつも行うオイル塗装では木目を活かすが、ここでは砥粉を擦り込んで木目をつぶすための下地塗装から行う。それが済んでからは、合成漆塗料を塗っては乾かし磨くという工程を淡々と繰り返した。いい感じの艶が出てきたところで完成した。

 

最後の仕上げは蝶番の取り付け。蝶番の位置を決めたら、ズレないように、傷を付けないように慎重に1本ずつ釘を打っていく。蝶番を2個、固定したら裏返して飾りの板を2枚、同じ方法で取り付けた。無事に取り付け終了でホッと一息ついた。

 

お客様にお見せすると、大変喜んで下さいました。まだ暑い季節だから、

使ってみようかしら、と楽しそうでした。

このような製作の機会を頂けたことに、心から感謝致します。

 

今日は初めて水指の蓋を製作したお話でした。